- SSSD WorkshopでWarm Sprayについて招待講演
6月10日、ホノルル市のハワイ大学で開催された固相粒子堆積法に関する会議 "Solid State Spray Deposition Workshop"でWarm Sprayについて招待講演しました。本Workshopはアラバマ大学のLuke Brewer教授と産総研の篠田健太郎博士が中心となってオーガナイズしたものです。議題はコールドスプレーとエアロゾルデポジションで、米国、日本、台湾、オーストラリアなどから約20名の研究者が参加しました。Warm Spray は黒田が物質・材料研究機構(NIMS)在職中に川喜多仁、渡邊誠博士らと開発した成膜法で、HVOF溶射とコールドスプレーの中間的な温度領域で、粉末材料を適度に加熱・軟化した状態で基材に吹き付けて緻密性の高い皮膜を得ることを特徴としています。本WSでは、粉末材料、プロセスの基礎現象、皮膜の組織と特性、信頼性向上と規格化のための課題などについて、3日間充実した発表と議論が行われました。
- NY州立大学の溶射コンソーシアムで講演
6月4日、米国NY州立大学のSanjay Sampath教授が主宰する溶射コンソーシアム(Center for Thermal Spray Research)で溶射皮膜の残留応力発生過程について招待講演を行いました。黒田は1980年代に基材の曲率をその場測定する装置を開発し、急冷応力など溶射皮膜の残留応力の発生メカニズムを解明しました。Sampath教授らはその概念を発展させてICP(In-situ Coating Property Sensor)としてReliacoat Technology社から商品化しています。今回、Bridging Generationsというテーマで、溶射分野の基礎となっているプラズマジェットとプラズマ溶射装置、溶射粒子の計測装置、単一粒子の衝突現象、皮膜堆積現象、皮膜の特性評価、TBC/EBCといったテーマごとに、ベテランと若手が登場して当該分野の歴史と発展状況を俯瞰的に議論する2.5日間の会議でした。コンソーシアムはメンバー制ですが、Sampath教授は記録した講演をネットで公開する予定です。